企業の情報発信手段として、ブログはかつてないほど重要性を増しています。新商品・サービスの紹介、採用情報の発信、ブランディング強化やSEO対策の一環など、ブログを活用する場面は多岐にわたります。しかし、実際に運用を始めてみると、「更新が面倒」「デザインが崩れる」「担当者がHTMLを扱えない」といった課題に直面することも少なくありません。
そんな課題を解決する手段のひとつが、CMS(コンテンツ管理システム)を活用したブログ運営です。CMSを導入すれば、非エンジニアでも記事の投稿や修正が可能になり、運用体制が大きく改善されます。とくに、複数人・複数部署での運用や定期的な更新が求められるケースにおいて、その利便性は非常に高いといえます。
CMSとは?初心者にもわかる基本の理解
CMSとは、Webサイトのコンテンツをブラウザ上で簡単に管理・更新できるシステムのことを指します。HTMLやCSSといったコードの知識がなくても、WordやGoogleドキュメントのような感覚で記事を編集・公開することができます。CMSは、SaaS型(クラウド型)やオープンソース型、さらにはAPIベースのヘッドレスCMSなど、さまざまなタイプが存在します。
CMSのタイプによって得意とする領域が異なるため、自社の体制や要件に応じた選定が大切です。たとえば、すぐに使い始めたい場合はSaaS型、デザインや構造を自由に構築したい場合はヘッドレス型、柔軟にカスタマイズしたい場合はオープンソース型が向いています。
CMSでブログを始めるメリット
CMSを導入してブログを始めることで、現場の業務がどのように変わるのか。以下に、実現できることや課題から得られる成果を現場目線でまとめます。
- Web担当者でなくても、広報・人事・営業といった非エンジニアが記事更新を担当できるようになる
- デザイン崩れを心配せず、テンプレートで統一された形式で情報発信ができる
- 更新のたびに制作会社へ依頼する手間・コストが削減される
- 更新頻度が上がることで、SEO効果が高まり、流入数が増加する
- 権限管理や承認フローにより、品質管理がしやすくなる
- セキュリティ対応が標準化されており、安心して運用できる
特に、企業の広報や採用などで複数の部署が関わる場合にも、CMSの権限管理機能やワークフロー機能が活躍します。役割に応じた編集・承認ステップを設定できるため、現場の混乱を防ぎながら運用を継続できます。
主要CMSごとの特徴とブログ運用での活かし方
CMSによってUIの使いやすさや対応言語、サポート体制も異なります。たとえば、microCMSやMovable Typeのように日本語の管理画面が整っているCMSもあれば、英語ベースのUIながら導入サポートやマニュアルで補えるもの(Contentful、Drupalなど)もあります。
初心者の方でもスムーズに運用できるよう、CMSの選定時には操作感や導入時のトレーニング体制もチェックしておくことがポイントです。
WordPress
ブログCMSの代表格で、世界中で広く使われています。記事作成やカテゴリ管理が直感的に行え、プラグインによる機能追加も豊富です。SEO対策やSNS連携などの機能も充実しており、企業ブログにも多く採用されています。
https://wordpress.org/
microCMS
日本発のヘッドレスCMSで、Jamstack構成との相性がよく、高速でセキュアなサイト構築が可能です。API経由でコンテンツを取得するため、柔軟なフロントエンド設計ができ、非エンジニアにも扱いやすい管理画面が特長です。
https://microcms.io/
Contentful
エンタープライズ向けのヘッドレスCMS。多言語対応やマルチチャネルでのコンテンツ配信を得意とし、マーケティング部門と技術部門の連携にも強みを発揮します。柔軟なコンテンツモデル設計が可能です。
https://www.contentful.com/
Concrete CMS
編集性とセキュリティのバランスが取れたCMSで、承認ワークフローやバージョン管理など企業利用に必要な機能が備わっています。ドラッグ&ドロップによる編集が可能で、非技術者でも扱いやすいのが特長です。
https://www.concretecms.com/
Movable Type
日本企業によって開発されたCMSで、官公庁や教育機関などでの導入実績が豊富。静的ファイル生成に対応しており、セキュリティや表示速度に優れています。長期的なブログ運営に適したCMSです。
https://movabletype.com/
PowerCMS
Movable Typeをベースにした商用CMSで、大規模サイトの運用や複数部門によるコンテンツ管理に適しています。ワークフローや承認機能、柔軟な権限設定が特徴です。
https://www.powercms.jp/
Drupal
柔軟なコンテンツ構造と多言語対応機能を備えたオープンソースCMS。大規模なWebサイトやコミュニティサイトにも適しており、拡張性とセキュリティに優れています。開発者向けではありますが、設計次第で運用のしやすさも実現可能です。
https://www.drupal.org/
AEM(Adobe Experience Manager)
Adobeが提供するエンタープライズ向けCMSで、マーケティング機能との連携やデジタル資産管理が可能です。大規模なブランドサイトやグローバル展開を行う企業に多く採用されています。
https://business.adobe.com/products/experience-manager/adobe-experience-manager.html
CMSの選び方:運用体制と目的に合わせて
CMSは「どれが優れているか」ではなく、「どのような運用体制で、どのような成果を目指すのか」によって選ぶべきです。
- 社内の更新頻度や更新担当者のITスキル
- セキュリティ要件やインフラ環境
- 多言語対応の必要性
- APIとの連携可否(マーケツールなど)
また、導入までのスケジュール感も選定の大きな要素になります。たとえば、SaaS型CMSであれば構築期間が短く、早ければ1〜2ヶ月ほどで公開が可能です。反対に、オープンソース型やヘッドレスCMSではカスタマイズ性が高い分、要件に応じて2〜3ヶ月以上かかることもあります。
制作会社選びも重要なポイント
CMS構築には、制作会社のサポートが欠かせません。CMSによって設計や初期構築に必要なノウハウが異なるため、対応可能なCMSの種類や、どのようなサポート体制を持っているかを確認することが大切です。
弊社では、特定のCMSに限定せず、クライアントの目的に応じたCMSの導入支援やブログ運営設計を行っております。実際の運用を見据えたUI設計や、更新マニュアルの提供、運用サポート体制の整備も可能です。
導入後は、社内メンバーへの操作トレーニングやマニュアル整備、必要に応じた更新代行などの運用支援も提供しています。初めてCMSを導入するお客様にも安心してご活用いただける体制を整えています。
まとめ
CMSでブログを始めることは、単なる「記事投稿の仕組み作り」ではありません。チーム内での情報共有を活性化し、社外への発信力を高め、ブランド力を構築していくための土台づくりです。
CMS選定や構築でお悩みの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。ご予算や運用体制に応じて、最適なご提案をさせていただきます。