初めまして、WEBディレクター歴13年、サーフィン歴20年のクセッケです。
今日は、タイトルの通りですが皆さんの「CMSならWordPressでいいじゃん!」や、「ロングボードならたくさん波に乗れるでしょう(→全部の波に向いているわけではない)」とか、「サーフィンするならカッコイイからショートボードでしょ!(→性能は良いけど難しい)」などの誤解を、少し解いてみたいと思っております。(サーフィンの例えが多くなりましたが…)
で、本題です。
CMS(コンテンツ管理システム)といえば、WordPressを思い浮かべる人が多いと思います。実際、世界のWebサイトの約43%以上がWordPressで作られているようです。その圧倒的なシェアと利便性から、皆さんが「CMSならWordPressで十分じゃない?」と考えるのも無理はありません。
ですが、その考え方ってサーフィンで例えると「どんな波でも一本のボードで乗れる」、「昔から乗ってる人が多いショートボードに乗れば間違いない」と思っているようなものなんですよね。
小波用のボードでビッグウェーブに挑むのは危険で無謀ですし、逆にビッグウェーブ用のボードで小さな波に乗るのも難しいんです。(もちろん上手に乗れる人もいますが…)
オリンピックで日本中が盛り上がったサーフィンって、派手なアクションでエアー(空中に飛び出すトリック)とかもあって格好良いけど、ショートボードって乗れるようになるまでが大変なんですよね(諦めて途中で辞める人も多いです)。
このように、サーフボードに用途や特性があるのと同じで、CMSもサイトの目的や運用の仕方によって、最適なツールは変わってきます。本記事では、WordPressの強みと注意点を整理しつつ、CMS選びで押さえておきたいポイントをお伝えしたいと思います。

WordPressの強み
WordPressが多くのサイトで選ばれている理由は、その「自由度の高さ」と「利用者の多さ」にあります。
世界中の開発者やデザイナーが関わり継続的な情報共有や技術支援が行われているため、テーマやプラグインが豊富で、簡単なカスタマイズから本格的な開発まで対応できます。また、ユーザーが多いため、トラブルが発生した際に情報を見つけやすく、解決策も豊富に存在します。
例えば、個人ブログや企業サイトであれば、既存のテーマやプラグインを活用するだけで、専門知識がなくてもすぐにサイトを立ち上げられます。
さらに、SEO対策やSNS連携、EC機能の追加なども、適切なプラグインを選ぶことで柔軟に対応できます。運用のコストを抑えつつ、自分好みのサイトを作りたい場合、WordPressは最適な選択肢といえるでしょう。
また、導入のしやすさも大きな魅力です。基本的な機能は無料で使え、サーバーやドメインを用意すればすぐに運用を開始できます。コストを抑えながらも、本格的なサイト運営ができる点は、多くの企業や個人にとって大きなメリットです。
WordPressの注意点
とはいえ、「とりあえずWordPressにしておこう」と考えてしまうのは危険です。
サーフボードと同じように、「たくさん波に乗れそうだからこれでOK」と選ぶのではなく、「どんな波に乗りたいのか?」「どのように波に乗りたいのか?」を考えて選ぶ必要があります。
まず、WordPressは世界的に普及している分、サイバー攻撃の標的になりやすい側面があります。オープンソースのため頻繁なアップデートが行われていますが、プラグインやテーマの管理を怠ると、セキュリティの脆弱性を突かれるリスクが高まります。そのため、定期的な更新やバックアップ、適切なセキュリティ対策が欠かせません。
また、多機能であるがゆえに、適切に管理しないとサイトのパフォーマンスが低下することもあります。プラグインの多用やキャッシュ設定のミスによって、ページの読み込み速度が遅くなり、ユーザー体験が損なわれることも。運用負担を軽減するためには、最適な環境設定やメンテナンスの仕組みを整えることが重要です。
WordPress以外のCMSを考えるべきケース
WordPressは万能なCMSですが、すべてのケースに最適とは限りません。例えば、企業の大規模なコンテンツ管理が必要な場合、より強力なワークフロー管理機能を持つCMSのほうが適しています。また、APIを活用してフロントエンドの自由度を高めたい場合には、ヘッドレスCMSが有力な選択肢になります。
たとえば、サーフトリップで訪れた旅先で食事するお店を探すとき、人気ランキング上位の店が必ずしも自分の好みに合うとは限りませんよね。地元の人におすすめを聞いてみると、思いがけず素晴らしいお店に出会うことがあります。
CMS選びも同じで、知名度やシェアの高さだけで選ぶのではなく、運用のしやすさや目的に合ったものを選ぶことが大切です。
大規模サイトや複雑なワークフローを持つサイトでは、より専門的なCMSが適していますし、高度なセキュリティを求める場合には、高度なセキュリティ性を備えたCMSを選択するのがベターです。また、頻繁なコンテンツ更新を伴う場合には、より直感的に操作できるCMSの方が運用負担を軽減できるでしょう。
どのサーフボー…じゃなかったCMSが最適か?
WordPressは多くの用途に対応できる便利なツールですが、サイトの目的や運用体制に合わせて、他の選択肢を検討することも重要です。
例えば、
・APIを活用してフロントエンドを柔軟に設計できるヘッドレスCMS(microCMSやContentfulなど)は、スピードと拡張性を求めるプロジェクトに最適です。
・Concrete CMSやMovable Typeのように高い安定性とセキュリティを備えたCMSは、長期的な運用を重視するケースに向いています。
・Adobe Experience Manager(AEM)のようなエンタープライズ向けCMSは、大規模なコンテンツ管理を必要とする企業にとって強力な選択肢となります。
といったように、用途に応じて最適なCMSは異なります。
【どのCMSが最適か、さらに詳しく知りたい方へ】
各CMSの特徴やメリットを解説した記事もご用意していますので、ぜひ参考にしてください。
・microCMSの詳細はこちら
・Contentfulの詳細はこちら
・Concrete CMSの詳細はこちら
・PowerCMSの詳細はこちら
・Movable Typeの詳細はこちら
・Drupalの詳細はこちら
・WordPressの詳細はこちら
結論
WordPressは世界中で広く利用されている非常に優れたCMSであり、汎用性の高さから多くの用途に対応できる便利なツールです。その使いやすさや豊富なプラグイン・テーマの存在により、個人ブログから企業サイト、ECサイトまで幅広いニーズに応えられるのが大きな魅力です。
しかし、Webサイトの構築において「CMS=WordPress」と決めつけるのは得策ではありません。サーフボード選びと同じで、サイトの目的、規模、必要な機能、運用体制などを総合的に判断し、最適なツールを選ぶことが重要です。
Web制作のプロフェッショナルとして、お客様の事業や運営方針に最適なCMSをご提案し、理想的なWebサイト構築をサポートします。「どのCMSを選ぶべきかわからない」「現在の運用体制に合ったCMSを知りたい」など、お悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
CMSもサーフボードも、選び方次第で乗りこなせるかどうかが決まります。
迷ったら、一緒に最適なCMSを見つけましょう!
(サーフボードの相談もしたい方は、波乗りトークついでにどうぞ!)